水いぼ (伝染性軟属腫)

水いぼ (伝染性軟属腫)とは

水いぼ(伝染性軟属腫)は、乳幼児に多くみられる皮膚へのウイルス感染症です。伝染性軟属腫ウイルスというウイルスが皮膚の細胞に感染することによって起こり、感染部位の皮膚は盛り上がり光沢のあるドームのような形あるいは、ドームの中央に凹みを伴った形状となります。

水いぼの感染経路

水いぼ(伝染性軟属腫)は、肌と肌との直接の接触、あるいは、タオルなどの物を介しての間接的な接触が原因となり皮膚に感染を起こします。プールなどで子供が、お友達と遊ぶ際に起こる肌と肌の直接接触や、ビート板や浮き輪の共有などによる間接的な接触がその例となります。水いぼはプールの水を介しては感染しません。

水いぼの診断

水いぼの診断は、多くの場合、特徴的な光沢を伴う発疹から、視診(患部を見て診断すること)によって可能です。

水いぼの治療

水いぼの治療は、専用のセッシでつまんで、物理的に取り去ってしまうことが基本となります。ただし、直接セッシでつまみ取ると、痛みを伴うため、当院では、ペンレステープ(麻酔テープ)(写真1)を水いぼの部分に貼ってきていただき、痛みの減った状態で、水いぼの除去を行っています。

小児で水いぼが急激に多発する場合や、成人での水いぼ多発例では、皮膚のバリア機能の低下を生じるアトピー性皮膚炎が背景にある場合があります。また、成人で比較的大きな水いぼを多発する例では、免疫不全が背景にある場合があります。
写真1. ペンレステープ

ペンレステープ(麻酔テープ)使用方法および注意点

当院で水いぼ診断後にお渡ししたペンレステープは、次回来院時間の1時間前に写真1のように線を引き、約1cm角の大きさに切って水いぼの箇所に貼ったままご来院ください。ペンレステープを貼ることで、局所麻酔効果が得られますが、効果には個人差があります。そのため、当院では、1度の水いぼ摘除個数を15個までとしています。また、施術は1週間に1度までとなります。

水いぼが多発している場合は、1度の施術で完結せず、数回の施術を要することがあります。また、すべて摘除できたように見えて、潜伏期にあった水いぼが後から出てくることもありますので、施術後も注意深く観察いただくことが必要となります。

水いぼ治療の外用薬、ワイキャンス®(カンタリジン)について

2025年9月より新たに水いぼ治療薬として、ワイキャンス®という外用薬が承認されました。ワイキャンス®は、ヒトの皮膚に付着すると水疱を生じるある昆虫の成分、カタリジンを用いています。ワイキャンス®を水いぼに塗布すると、皮膚の細胞同士の結合が弱くなり、水疱を生じ、伝染性軟属腫ウイルス(水いぼを起こすウイルス)に感染した皮膚の細胞が剥がれ落ちることで治療効果を発揮すると考えられています。

ワイキャンス®による治療は、3週間に1回、取り扱いのある医療機関で専用のアプリケーターを水いぼ部位に塗布することにより行います(写真2, 3)。
ワイキャンス®を塗った後16~24時間後にご家庭で石鹸と水で洗い流す必要があります。
臨床試験では、塗布12週時(4回塗布)に水いぼが完全消失した患者さんの割合は50%と報告されています。

副作用として、ワイキャンス®塗布部位に水ぶくれ、赤み、かさぶた、痛み、かゆみがあらわれることがあります。写真4は、実際にワイキャンスで水いぼの治療をした経過写真です。
写真2. ワイキャンス®アプリケーター
写真3. ワイキャンス®による治療
写真4. ワイキャンス®を塗布した症例です。この症例では1日以内に水疱を生じ、その後かさぶたとなり10日後にかさぶたも落ちて正常皮膚になりました(治療効果には個人差があります)。